マイナンバーとマイナンバーカード
政府は、すべての国民にマイナンバーカードを所持させようと躍起になっており、来月にはこれまで配布されていた紙の健康保険証を廃止するという強硬手段をとるらしい。先のブログで述べたように、善悪は別にして、マイナンバー制度の本来の目的は、国民一人一人に番号を与え、それによって所得など様々な情報を管理しやすくすることであったはずである。この制度を直接比較できるのは、
アメリカの社会保障番号(Social Security Number、SSN)である。私自身がもつアメリカ滞在中に取得したSSNは現在も有効で、税金の申告に用いる(右図)とともに、社会保障もその番号で給付される。高齢者の保険や低所得者層の保険にも用いられている。SSNの番号が必要なのであって、カードは必要ないのである。

日本でまずやるべきこと、あるいは直ちにできることは、健康保険を扱う厚労省あるいは関連機関が、個人に発行している番号をマイナンバーに変えること、運転免許証の書き換え時に番号をマイナンバーに変えること、個人年金番号をマイナンバーに変えることなど、現在個人に番号を発行している行政機関が、差支えのない番号をすべてマイナンバーに変えることであろう。その後、なりすまし防止などの安全性が確保されたカードを直接個人に交付すればよい。「マイナンバーを他の番号に紐づける」という考え方は、まったく理解できない。
政府のやり方は、カードや読み取り器製造会社の利権を守ることが主要目的ではないかと疑わざるを得ない。